ソニーグループ(6758)の株を保有しています。
私の平均取得価格は4,045円。
購入してから株価は思うように上がらず、長い間含み損を抱える、いわゆる「塩漬け」の状態になっていました。
今回確認した株価は3,719円です。
単純計算すると、
(3,719円-4,045円)÷4,045円 ≒ ▲8.1%
となり、まだ買値には戻っていません。
ただ、最近の株価チャートとソニーの事業戦略を改めて見てみると、
「含み損だから売る」
だけではなく、
「そもそも、なぜソニーを買ったのか。今後も保有する理由はあるのか」
を考え直すタイミングに来ているように感じています。
一時は3,043円まで下落

今回の日足チャートを見ると、ソニー株の厳しさがよく分かります。
4,600円台だった株価は下落を続け、一時3,043円まで下がりました。
平均取得価格4,045円から考えると、一時的には約25%の含み損です。
長期投資とはいっても、ここまで下落すると、
「買うタイミングを間違えたのではないか」
「損切りした方がいいのではないか」
と考えてしまいます。
ところが、その後は3,000円近辺で底を打つような動きとなり、4,000円近くまで回復。現在は3,700円台です。
チャートだけで今後を決めることはできませんが、少なくとも3,000円台前半まで一方的に売られていた局面からは状況が変化しているように見えます。
ソニーを「家電メーカー」と考えると見誤る
今回改めてソニーを調べて感じたのは、現在のソニーを「テレビやカメラを作っている会社」と考えると、企業の実態をかなり見誤るということです。
現在のソニーには、
ゲーム・音楽・映画・アニメ・カメラ・イメージセンサー・半導体・AI
という複数の事業があります。
2026年度の経営方針でも、ソニーはエンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション、リアルタイム・クリエイション技術を軸に事業を進化させる方針を示しています。PlayStationの月間アクティブユーザーは世界で1億2,500万人を超え、Crunchyrollの有料会員数も2026年3月末で2,100万人を突破しています。
つまり今のソニーは、
「電機メーカー」から「テクノロジーを持つエンターテインメント企業」へ
大きく変わってきていると考えています。
そして今回気になった「空間AI」
そこで注目したのが、新聞で取り上げられていた「ソニー、カメラで空間AI」です。
ソニーが目指しているのは、単に高性能なカメラを販売することだけではありません。
カメラで現実世界を撮影し、
撮影 → AI解析 → 3D空間化 → ゲーム・映画・VRなどへ利用
という世界です。
ここが個人的には非常に興味深いところです。
ソニーはカメラを持っています。
さらに世界有数のイメージセンサー技術があります。
そのうえ、PlayStation、映画、音楽、アニメなどのコンテンツ事業まで持っています。
ソニー自身も、AIを音響、映像処理、空間・CG技術と統合して、クリエイターの制作基盤へ発展させる方向を示しています。
つまり、
現実を取り込む技術
↓
AIで処理する技術
↓
コンテンツを制作する技術
↓
世界中に届けるプラットフォーム
までを持っているわけです。
これはソニーならではの強みではないでしょうか。
イメージセンサーも重要
もう一つ注目しているのが半導体です。
ソニーは2026年度の経営方針で、次世代イメージセンサーについてTSMCとの戦略的提携に向けたMOU締結を発表しています。
ソニーは、画素構造、積層技術、回路、プロセス技術など長年蓄積してきたアナログ領域の技術を、模倣されにくい競争力と位置付けています。
AI時代というとNVIDIAなどのGPUばかりが注目されます。
しかしAIが現実世界を理解するためには、
「見る」ためのセンサー
も必要です。
スマートフォン、自動車、カメラ、ロボット、産業機器などで画像認識が広がれば、ソニーのセンサー技術が重要になる可能性があります。
AI時代にはGPUだけでなく、現実世界の情報を取り込むセンサーも重要になります。
半導体メーカーがそれぞれどのような役割を担っているのかについては、こちらの記事で初心者向けに整理しています。
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AI関連株というとNVIDIAなどに注目が集まりがちですが、日本企業にもAIを支える技術を持つ企業があります。
半導体材料という別の角度からAI市場を分析したレゾナックについても、こちらで詳しく取り上げています。
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私の平均取得4,045円をどう考えるか
ここからが自分自身の投資についてです。
現在3,719円なので、4,045円まで戻るために必要な上昇率は、
約8.8%
です。
以前なら、
「4,045円まで戻ったら売ろう」
と考えていたかもしれません。
しかし、それでは買値を基準に投資判断をしているだけです。
株式投資で本当に考えるべきなのは、
「4,045円で買ったかどうか」
ではなく、
「現在の3,719円から見て、この会社を保有したいか」
ではないでしょうか。
ここは今回のソニー株で私自身が改めて考えさせられた部分です。
含み損を抱えると、「せめて買値まで戻ったら売りたい」と考えてしまいます。しかし、この「買値へのこだわり」も投資家心理の一つだと思います。
【関連記事】長期保有と投資家心理については、こちらの記事でも考えています。

今後の投資戦略は3つに分けて考える
私はソニーについて、すぐに「買い増し」か「売却」かの二択にする必要はないと考えています。
まず保有継続。AI、ゲーム、アニメ、映画、イメージセンサーなどの成長を確認しながら、長期保有する方法です。
次に買い増し。株価が再び大きく下落した場合に平均取得価格を下げる方法ですが、単に含み損を小さくするためのナンピンには注意が必要です。業績や成長ストーリーを確認して「現在価格でも買いたい」と思えることを条件にしたいところです。
そして売却。株価が4,045円に戻ったから機械的に売るのではなく、業績悪化や競争力低下など、保有した理由そのものが崩れた場合に検討する方が、自分の長期投資の考え方には合っています。
私が今後チェックしたいポイント
ソニー株については、株価そのものよりも、今後は次の点を確認していきたいと思っています。
- PlayStationを中心としたゲーム事業の収益性
- 音楽・映画・アニメなどIPビジネスの成長
- Crunchyrollなど海外展開
- イメージセンサー事業の成長と収益性
- AI・空間コンテンツが実際に収益化できるか
- TSMCとの協業がセンサー競争力につながるか
- これらが最終的にEPSやキャッシュフローの成長につながるか
ソニーの2025年度決算でも、ゲーム、音楽、映画、ET&S、I&SSと複数の事業を持つ構造が確認できます。
この事業の多様性はソニーの魅力である一方、企業分析を難しくしている部分でもあります。
塩漬けになったからこそ企業を調べ直す
平均取得4,045円。
現在3,719円。
数字だけ見れば、私のソニー投資はまだ含み損です。
しかし今回、約1年間株価が低迷したからこそ、改めてソニーという会社について調べることになりました。
すると、
ゲーム × 音楽 × 映画 × アニメ × カメラ × センサー × AI
という組み合わせが見えてきました。
ソニーは2026年度の経営方針でも、AIを各事業にとって「最重要テーマ」と位置づける一方、人の創造性を中心に置き、AIをクリエイターを支援する技術として活用する方針を示しています。
今回の「空間AI」は、まだ将来の収益への寄与を慎重に見ていく必要があります。
それでも、カメラで現実を取り込み、AIで処理し、自社のゲーム・映画・アニメなどにつなげるという構想は、ソニーが持つ事業を一本につなぐ可能性があります。
だから私は、平均取得価格4,045円という「過去の買値」だけを見るのではなく、
これからソニーがどれだけ利益を成長させられる会社なのか
を追いかけていきたいと思います。
含み損になった銘柄は、どうしても「早く買値まで戻ってほしい」と考えてしまいます。
しかし今回のソニー株を通じて、買値ではなく企業価値を見ることが長期投資では大切なのではないかと改めて感じました。
今回ソニーを改めて調べて感じたのは、含み損になった時こそ「株価」ではなく「会社」を調べ直すことの大切さです。
私自身も企業分析では、売上や利益だけでなく、会社がどの事業で稼いでいるのかを確認するようにしています。
企業分析の方法を勉強したい方には、会社四季報を使った銘柄研究の本も参考になります。
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参考資料・公式サイト
- ソニーグループ「投資家情報」
- ソニーグループ「決算短信・業績説明会資料」
- ソニーグループ「2026年度経営方針」
- 【関連記事】AI市場の拡大は、半導体だけでなくデータセンター、電力、銅など幅広い産業に波及しています。

※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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