株式投資をしていると、「売った後に大きく上がった」という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
私にとって、その代表的な銘柄の一つが住友金属鉱山(5713)です。
私は約1年前、住友金属鉱山を3,982円で利確しました。
それなりの利益が出ていたため、その時点では悪い投資ではなかったと思っています。
ところが、その後株価は上昇。
半年足らずの間に、私が売却した価格から一時約3倍の水準まで上昇しました。
「持っていれば……」
当然、そんな気持ちにもなります。
しかし株式投資で一番危険なのは、こうした悔しさから株価を追いかけてしまうことではないでしょうか。
そこで今回は、「売らなければよかった」という感情はいったん横に置いて、住友金属鉱山とはそもそもどんな企業なのか、なぜこれほど株価が動くのかを改めて考えてみます。
※本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
個別企業の業績だけでなく、金利や世界経済などのマクロ環境も株価を左右します。AI・金利・日本株の関係については、こちらの記事でも整理しています。
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住友金属鉱山とはどんな会社?
住友金属鉱山という名前から、「鉱山会社」というイメージを持つ人も多いと思います。
しかし実際には、事業は大きく
「資源」「製錬」「材料」
の3つに分かれています。
① 資源事業
国内外で銅や金などの鉱山開発・運営を行っています。
単に金属を購入して加工するだけでなく、上流の資源権益を持っていることが住友金属鉱山の大きな特徴です。
② 製錬事業
銅、ニッケル、金、銀などを製錬・販売しています。
特に銅は電線から電子機器まで幅広く利用される重要な金属です。
ニッケルについても、ステンレスだけでなく電池材料や航空宇宙など幅広い用途があります。
③ 材料事業
さらに興味深いのが材料事業です。
電池材料のほか、電子部品などに使用される機能性材料も手掛けています。
つまり住友金属鉱山は、
鉱山から資源を確保する
↓
金属を製錬する
↓
高付加価値材料へ加工する
というところまで自社グループで展開しています。
会社自身もこれを「3事業連携ビジネスモデル」と位置付けています。
なぜ住友金属鉱山の株価は大きく動くのか
ここが投資家として非常に面白いところです。
住友金属鉱山を見るとき、通常の製造業とは少し違った視点が必要だと思います。
業績を左右する大きな要素として、
銅価格・金価格・ニッケル価格・為替
があります。
実際、会社のIRでも銅・ニッケル・金の市場価格を重要な市場動向として掲載しています。
つまり、
「住友金属鉱山の業績だけを見る」のではなく、「世界の資源価格を見る」
ことも重要になります。
ここがこの会社を分析する面白さでもあり、難しさでもあります。
株価を考えるうえでは、企業単体だけでなく業界全体の需給サイクルを見ることも重要です。半導体については、こちらの記事で2028年までのサイクルを考察しています。
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特に注目したいのが「銅」
私が今後、住友金属鉱山を見るうえで特に注目したいのが銅です。
銅は昔から電線などに使われてきましたが、電化が進む社会ではますます重要になる可能性があります。
住友金属鉱山自身も銅を主力製品の一つとしており、2025年度の会社予想では電気銅の売上高は6,455億円規模となっていました。
そのため住友金属鉱山を見るときには、株価チャートだけではなく、
「今後、世界の銅需給はどうなるのか」
という視点を持つ必要があります。
企業分析から業界研究、さらに世界経済の分析へとつながっていく銘柄だと思います。
一方、ニッケルは同じようには考えられない
注意したいのがニッケルです。
銅とニッケルは同じ非鉄金属でも、需給環境は必ずしも同じではありません。
会社資料でも、ニッケルについては供給量の伸びが需要を上回る状況が指摘されてきました。
そのため、
「EVが増える→電池が増える→ニッケル関連企業は上がる」
と単純化するのは危険でしょう。
銅・金・ニッケルをそれぞれ別々に分析する。
これが住友金属鉱山を見るうえで重要だと考えています。
住友金属鉱山を分析するうえでは、銅やニッケルだけでなく金価格の動向も無視できません。金価格と金利の関係については、こちらの記事でも考察しています。
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3,982円で売った判断は間違いだったのか?

そして、私自身が一番考えたのがここです。
結果だけ見れば、
「3,982円で売らずに持っていればよかった」
となります。
しかし、これは完全な結果論です。
3,982円で売却した時点では利益が出ていました。
その後、株価が3倍近くになることを事前に正確に予想できていたわけでもありません。
売却した後の最高値を見て、
「あの時売ったのは失敗だった」
と考えてしまうと、今後の投資判断まで狂わせる可能性があります。
むしろ今回の経験から考えるべきなのは、
「なぜその時売ったのか」
そして、
「その後なぜ株価がこれほど上昇したのか」
ではないでしょうか。
株価チャートを見ると、さらに悔しくなる
今回のチャートを見ると、安値圏から株価が大きく上昇し、一時は13,300円をつけています。
そして現在表示されている株価は9,484円。
私が利確した3,982円と比べれば、それでも2倍を大きく超える水準です。
もちろん「13,300円まで持っていて、そこで売却できた」という保証はどこにもありません。
実際には途中で何度も大きな値動きがあります。
株価の頂点だけを後から見て利益を計算することには、あまり意味がないと思っています。
悔しい。でも追いかけない
投資家としては、やはり悔しいです。
「あと半年持っていれば……」
という気持ちがないと言えば嘘になります。
しかし、この悔しさこそ投資の勉強材料にしたいと思います。
株価が上がったから買う。
売った株が上がったから買い戻す。
これでは企業分析ではなく、株価を追いかけているだけになってしまいます。
だからこそ、ここでは一度冷静になります。
住友金属鉱山の
業績、銅価格、金価格、ニッケル価格、為替、資源権益、材料事業、PER・PBR、配当
などを改めて確認し、
「現在の9,000円台でも投資する価値があるのか」
をゼロから考えてみたいと思います。
私自身、今回のような経験を「売るのが早かった」で終わらせるのではなく、企業の業績や財務、ビジネスモデルをより深く見るきっかけにしたいと考えています。企業分析やファンダメンタルズ分析を基礎から学びたい方には、こうした書籍も参考になります。
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まとめ|「売らなければよかった」を企業分析につなげる
今回の住友金属鉱山は、私にとって非常に印象に残る投資になりました。
3,982円で利益確定。
その後、半年足らずで株価は一時約3倍。
結果だけを見れば「早く売りすぎた」と言えるでしょう。
ただ、株式投資では過去の売買を悔やんでも利益は生まれません。
大切なのは、
「なぜ上がったのか」
「現在の株価は企業価値から見て高いのか安いのか」
「これから利益を伸ばせるのか」
を考えることだと思います。
今回の経験を「売ってしまった悔しい銘柄」で終わらせず、住友金属鉱山をもう一度、一から分析してみます。
そして今後の投資判断に生かしていきたいと思います。
※本記事は上記の公開情報などを参考に、筆者自身の投資経験と考察を加えて作成しています。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
参考資料・公式サイト
住友金属鉱山の「資源・製錬・材料」の3事業については、公式サイトの事業紹介でも詳しく確認できます。
住友金属鉱山公式サイト|事業紹介
最新の業績や決算資料については、住友金属鉱山の「株主・投資家情報」で確認できます。
住友金属鉱山公式サイト|株主・投資家情報
住友金属鉱山の事業戦略や中長期的な成長方針については、同社の統合報告書も参考になります。
住友金属鉱山公式サイト|統合報告書


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