体調を崩しても、すぐに会社を辞めないで。私が休職して初めて知った「働けないときのセーフティーネット」

働けなくなっても、すぐに退職しないで 暮らし・節約
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「もう仕事を続けるのは無理かもしれない」

体調を崩したとき、そんなところまで追い詰められることがあります。

私自身、以前メンタル面の不調から仕事を続けることが難しくなり、勤務先の休職制度を利用して実質約1年間休職した経験があります。

当時を振り返って感じるのは、

「制度を知らなければ、会社を辞めるという選択をしていたかもしれない」

ということです。

体調が悪いときは、制度について一から調べること自体が大きな負担になります。

ところが調べてみると、日本には「働けなくなったら即収入ゼロ」というわけではなく、会社や健康保険、雇用保険など、いくつものセーフティーネットが用意されていることが分かりました。

今回は、私自身の休職経験と、最近知った「不登校の子どもにも介護休業制度を利用できる場合がある」という話をきっかけに、「仕事を続けられなくなったとき、退職を決める前に知っておきたい制度」について考えてみます。

私が実際に利用した「会社の休職制度」

働けなくなった時のセーフティーネット
すぐに退職しなくても、使える制度があります。

私の場合、まず大きかったのが勤務先の休職制度でした。

約1年間、療養に専念することができ、私の場合は会社の制度によって所得もほぼ100%補償されました。

これは非常に大きなことでした。

ただし、ここは注意が必要です。

休職制度や休職中の給与保障は、すべての会社に同じ制度があるわけではありません。

休職できる期間や給与の有無、復職の条件などは会社の就業規則によって大きく異なります。

だからこそ、体調を崩して仕事を続けるのが難しくなったら、退職届を出す前に、

「自分の会社にはどんな休職制度があるのか」

を確認することが非常に重要だと思います。

私自身、この制度を知っていたからこそ、すぐに退職せず、まずは治療を優先することができました。

会社から給与が出なくても「傷病手当金」がある

会社独自の所得保障がない場合でも、健康保険には傷病手当金という制度があります。

業務外の病気やケガで働くことができず、給与を十分受け取れないなど一定の条件を満たせば、1日あたりおおむね標準報酬日額の3分の2相当が支給されます。

現在は、支給開始日から通算1年6か月まで支給される仕組みになっています。

つまり、

「会社を休んだら給料がなくなる。だから無理をしてでも働かなければならない」

とは限らないのです。

会社の制度と健康保険の制度を確認することで、療養に専念できる可能性があります。

なお、会社から給与が支払われている場合は傷病手当金との調整があります。私のように会社独自の制度でほぼ100%の所得保障があるケースで、さらに傷病手当金がそのまま上乗せされるわけではありません。

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病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金だけでなく、労災保険など利用できる可能性のある制度があります。
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退職後には雇用保険というセーフティーネットもある

さらに、退職した場合には雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付があります。

ここにも重要なポイントがあります。

基本手当は「病気で働けない人に療養費として支給する制度」ではありません。

原則として、働く意思と能力があり、求職活動をしている失業状態の人を対象とする制度です。

そのため、退職してもまだ病気で働けない場合には、すぐ基本手当を受け取るのではなく、受給期間を延長できる場合があります。

病気やケガなどで30日以上働くことができない場合、受給期間を延長する制度があり、延長できる期間は最長3年間です。

体調が回復して「そろそろ働けそうだ」となってから、求職活動を始めて基本手当を受給する、という流れが考えられるわけです。

制度を組み合わせれば、長期間生活を守れるケースもある

私がいろいろ調べて驚いたのはここでした。

例えば、

会社独自の休職・所得保障

健康保険の傷病手当金

回復後、条件を満たせば雇用保険の基本手当

というように、それぞれの制度の条件を確認しながら利用することで、結果としてかなり長い期間、生活を支える仕組みにつながるケースがあります。

会社の休職制度が充実していたり、雇用保険の所定給付日数が長かったりする人なら、状況によっては2~3年程度にわたって何らかの所得保障・給付につながるケースも考えられます。

ただし、これは「誰でも3年間お金を受け取れる」という意味ではありません。

会社の就業規則、健康保険の加入状況、傷病手当金の受給歴、退職理由、雇用保険の加入期間、年齢などによって大きく変わります。

ここは自分のケースを会社の人事・健保・ハローワークなどに確認することが大切です。

体調不良・ストレス・将来への不安等から、更に体の状況を悪くしたり、命を絶ってしまう方さえもいる現状において、制度を知っていることで、退職を急がず、療養に専念するという選択肢を持てる場合もあります。

いざという時に自分や家族を守るためにも、元気なうちにこうした制度を知っておくことも、大切な備えの一つではないでしょうか。

不登校の子どものためにも「介護休業」が使える場合がある

そして今回、新聞記事を読んで、また一つ「知らなければ使えない制度」があることを知りました。

それが不登校の子どもを支えるための介護休業です。

厚生労働省は、不登校の児童生徒についても、育児・介護休業法上の「常時介護を必要とする状態」に該当する場合には、介護休業や介護休暇などを利用できると明示しています。

介護休業という言葉から、

「高齢になった親を介護するときの制度」

と思っている人も多いのではないでしょうか。

私も「介護」という言葉から、まず高齢者をイメージします。

しかし対象家族には「子」も含まれます。一定の要件を満たせば、同じ対象家族について通算93日まで介護休業を取得できます。

さらに一定の条件を満たせば、雇用保険から休業開始時賃金日額を基礎として67%相当を上限とする介護休業給付金があります。

不登校の子どもを支えるために親が仕事を辞める。

そうなる前に、この制度を知っているだけでも選択肢は変わってくると思います。

働き続けるための選択肢は、休職や介護休業だけではありません。
育児や介護などでフルタイム勤務が難しくなった場合には、時短勤務という働き方もあります。
以前、時短勤務が働く側だけでなく、企業にとっても人材流出を防ぐ重要な制度になっていることを記事にしました。
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「知らなかった」で退職してしまうのが一番もったいない

自分自身が休職を経験して、一番感じたことがあります。

制度は、知らなければ利用することすらできない。

会社員として普通に働いているときには、傷病手当金について詳しく調べることなどありませんでした。

雇用保険についても、「会社を辞めたら失業保険がもらえる」程度の知識しかありませんでした。

介護休業についても同じです。

しかし、自分や家族が突然病気になったり、子どもが学校へ行けなくなったりすると、状況は一変します。

そのときに、

「もう会社を辞めるしかない」

と考えるのか、

「ちょっと待てよ。使える制度がないだろうか」

と考えられるのか。

この違いは非常に大きいと思います。

お金の心配をしながらでは、ゆっくり療養することも難しい

療養というと「とにかく休むことが大切」と言われます。

もちろんその通りだと思います。

しかし現実には、

「来月の住宅ローンはどうしよう」

「生活費はどうする?」

「子どもの教育費は?」

「このまま収入がなくなったら?」

と考えながら、本当にゆっくり休めるでしょうか。

私は難しいと思います。

療養するためにも、金銭的な準備や所得保障は必要です。

そして、それは自分の貯金だけで準備する必要はありません。

会社の休職制度、健康保険、雇用保険、育児・介護休業制度など、すでに用意されている仕組みがあります。

だから体調を崩したときや家族に大きな問題が起きたときは、人生の大きな決断を急ぐ前に、まず制度を調べてみる。

これは私自身の経験から強く感じていることです。

それでも生活が成り立たないときには「生活保護」がある

そして、会社の制度や社会保険、雇用保険などを利用しても生活を維持することが難しい場合には、生活保護という最後のセーフティーネットがあります。

生活保護は、資産や能力、年金・手当など利用できるものを活用してもなお生活に困窮する場合に、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を支援する制度です。

「自分には関係ない」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、本当に困ったときにこうした制度があることを知っているだけでも、選択肢は変わります。

相談・申請窓口は、お住まいの地域を管轄する福祉事務所です。

生活が立ち行かなくなるまで一人で抱え込まず、公的な制度に相談することも大切な選択肢だと思います。

まとめ|「辞める」は制度を調べてからでも遅くない

体調を崩したら、まず休む。

必要なら休職する。

会社の所得保障がなければ傷病手当金を確認する。

退職することになったら雇用保険について調べる。

家族の介護や子どもの不登校なら、介護休業・介護休暇が使えないか確認する。

こうした選択肢を知ってから、その先を考えても遅くありません。

私自身、制度について調べたことで療養する時間を確保することができました。

体を壊してしまっては元も子もありません。

仕事は大切です。

しかし、自分や家族の健康はもっと長い時間軸で考える必要があります。

「働けなくなったら収入も終わり」と思い込まず、まずは使える制度を調べる。

この記事が、今まさに仕事と健康、あるいは子どもの問題との間で悩んでいる方にとって、「退職以外にも選択肢がある」ことを知るきっかけになればと思います。

参考資料・公式サイト

厚生労働省|傷病手当金の支給期間について
ハローワークインターネットサービス|雇用保険の基本手当
厚生労働省|雇用保険・基本手当Q&A
厚生労働省|介護休業制度
厚生労働省|生活保護制度
厚生労働省|生活保護を申請したい方へ
日本経済新聞「子の不登校で介護休業、保護者6割『制度知らない』 啓発へ官民動く」



※本記事は私自身の経験と公的機関の情報をもとにまとめたものです。休職制度や所得保障は勤務先によって異なり、傷病手当金・雇用保険・介護休業給付・生活保護なども、それぞれ受給要件があります。実際に利用する際は、勤務先の人事・健康保険組合・ハローワーク・自治体の福祉事務所などにご確認ください。

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