疲れた週末にサウナへ|「ととのう」を休養学と科学から考えてみた

サウナで疲れをリセットの説明図 暮らし・節約

「今週も疲れた……」

仕事をしていると、そんな週末がよくあります。

最近は働き方改革などによって残業時間そのものは以前より厳しく管理されるようになりました。

私自身も残業は月40時間を超える程度ですが、だからといって仕事が楽になったかというと、必ずしもそうではありません。

むしろ限られた時間の中で以前と同じ、あるいはそれ以上の成果を求められるため、

「労働時間は短くなったけれど、仕事の密度は濃くなった」

と感じることがあります。

特に月末など仕事が集中する時期は、金曜日になる頃にはかなり疲れがたまっています。

そこで私が週末のリセットとしてよく利用しているのが、

サウナです。

最近ではサウナの健康効果についてビジネス誌やテレビなどでも取り上げられるようになりました。

そこで今回は、私自身が毎週のように利用しているサウナについて、

  • サウナにはどのような効果が期待できるのか
  • 「ととのう」とは何なのか
  • 疲労回復に本当に役立つのか
  • 「休養学」から見るとサウナはどのような休み方なのか
  • 疲れている会社員はどう利用すればいいのか

という視点から考えてみたいと思います。


体は「何もしなくても大丈夫」ではない

私は普段から、腹筋・背筋・スクワットなどの筋力トレーニングやストレッチをしています。

それでも仕事が忙しくなると、

  • 肩こり
  • 腰の張り
  • 眼精疲労
  • 頭痛
  • 全身のだるさ

など、さまざまなところに疲れが出てきます。

特にデスクワークでは、長時間同じ姿勢を続けながらパソコンの画面を見て、さらに仕事上の判断を繰り返します。

体を激しく動かしていなくても、

「体の疲労+頭の疲労+精神的な緊張」

が同時に積み重なっているのではないかと思います。

だからこそ、単純に休日に寝ているだけでは疲れが抜けないことがあります。

ここで興味深いのが「休養学」という考え方です。


「休養=寝ること」ではない

私が「休養」について考えるうえで参考になったのが、医学博士・片野秀樹氏の著書『休養学 あなたを疲れから救う』です。

私自身も実際に読みましたが、この本では「休養=ただ寝ること」ではなく、休養を7つのタイプに分類し、複数の休み方を組み合わせる考え方が紹介されています。

サウナについて考えてみると、この「休養学」の考え方と重なる部分が多く、とても興味深く感じました。

休養学を研究する医学博士・片野秀樹氏は、休養を大きく

①生理的休養
②心理的休養
③社会的休養

に分類し、さらに7つのタイプに分けています。

7つの休養タイプ

分類休養タイプ具体例
生理的休養休息睡眠、横になる
生理的休養運動散歩、ストレッチ、軽い運動
生理的休養栄養食べ過ぎを避けるなど
心理的休養親交家族や友人、自然、動物との交流
心理的休養娯楽趣味、映画、音楽など
心理的休養造形・想像創作、瞑想など
社会的休養転換旅行、外出、環境を変える

重要なのは、

「疲れたから寝る」だけが休養ではない

ということです。

軽く体を動かしたり、好きなことをしたり、いつもと違う場所へ出掛けたりすることも休養になります。

つまり休養とは単に活動を停止することではなく

次の活動に向けて活力を回復させる行動

と考えることができます。


サウナは「攻めの休養」なのか?

この考え方にサウナを当てはめてみると、個人的には非常に面白いと思います。

サウナに行くためには、まず家から出ます。

サウナ室に入り、体を温める。

水風呂などでクールダウンする。

そして休憩スペースで何もせずぼーっとする。

普段仕事をしている環境から完全に離れます。

つまりサウナは、

「休息」+「転換」+「娯楽」

など、複数の休養行動を組み合わせやすい場所とも考えられます。

私の場合、サウナの良さは単純に汗をかくこと以上に、

強制的に仕事から離れられること

にあるように感じています。

サウナ室ではパソコンも触りません。

スマートフォンも基本的には持ち込みません。

メールも見ません。

仕事について考えていたとしても、次第に「熱い」という感覚に意識が向いていきます。

そして外気浴では、ただ椅子に座ってぼーっとする。

現代人にとっては、この

「何もしない時間を強制的につくる」

こと自体が貴重なのかもしれません。


「ととのう」とは何なのか?

サウナ好きならおなじみなのが、

「ととのう」

という言葉です。

サウナ、水風呂、休憩を繰り返した後、椅子に座っていると、

「頭がスッキリする」

「体の力が抜ける」

「ぼーっとするけれど気持ちいい」

といった独特の感覚になることがあります。

日本サウナ学会も、サウナを単に高温の部屋に入ることではなく、

「サウナ室・水風呂・外気浴などを含めた一連のサウナ浴」

として捉えています。

また研究段階ではありますが、サウナ温冷交替浴後に副交感神経優位の状態が観察された研究など、「ととのう」を生理学的に説明しようとする研究も進められています。

ただし、「サウナに入れば自律神経が正常になる」とまで断定するのは適切ではありません

まだ研究途上の部分も多く、

「気持ちいいという体験」と「医学的に証明された効果」は分けて考える

必要があります。


サウナで期待されている健康効果

海外ではサウナについて長期的な研究も行われています。

特に有名なのがフィンランドで行われてきた研究です。

サウナ習慣と心血管疾患による死亡リスクとの関連などが研究され、サウナを頻繁に利用する人ほど心血管死亡リスクが低かったという観察研究があります。

ただし、ここにも注意点があります。

これは、

「サウナに入れば心臓病にならない」

という意味ではありません。

サウナに頻繁に入る人は、生活習慣や所得、運動習慣など別の要因が違う可能性もあります。

したがって現時点では、

「サウナ習慣と健康状態の良さには関連を示す研究がある」

くらいに理解しておくのがよいでしょう。


私が感じる最大の効果は「頭の切り替え」

毎週のようにサウナへ行っている私自身の感覚としては、一番大きいのはこれです。

頭が仕事モードから強制的に切り替わる。

仕事が忙しいと、会社を出ても仕事のことを考えてしまいます。

「あのメールを返さなければ」

「来週の資料をどうしよう」

「あの案件は大丈夫だろうか」

体は会社から帰っているのに、頭はまだ会社にいる状態です。

ところがサウナに入ると、

「熱い」

「そろそろ出よう」

「水風呂が気持ちいい」

「外の風が気持ちいい」

と、意識が今の自分の身体感覚に向かいます

結果として、仕事について考える時間が減ります。

私にとってサウナは、

「身体を温める場所」というより「仕事から頭を切り離す場所」

なのかもしれません。


疲れた会社員におすすめしたいサウナの入り方

ここで重要なのは、

長く入れば入るほど健康になるわけではない

ということです。

「10分入らなければならない」

「水風呂に必ず入らなければならない」

「3セットやらなければならない」

と考える必要はありません。

私はむしろ、

その日の体調に合わせること

が最も大切だと思っています。

例えば、

サウナ → クールダウン → 休憩
(私自身は体調を見ながら3~5セット程度楽しむこともありますが、セット数をこなすことを目的にはしていません。)

を無理のない範囲で繰り返します。

水風呂が苦手なら無理に入る必要はなく、シャワーなどで徐々に体を冷やす方法もあります。

そして個人的には、

休憩時間をしっかり取ること

を重視しています。

せっかく休養するためにサウナへ行っているのに、「あと○分耐えよう」と我慢大会にしてしまえば本末転倒です。


疲れ切った日はサウナより睡眠

もう一つ忘れてはいけないことがあります。

サウナは睡眠の代わりにはなりません。

寝不足で体調が悪いとき、飲酒後、脱水気味のときなどに無理してサウナへ入るのは避けるべきでしょう。

特にサウナでは大量に汗をかきます。

そのため、

サウナ前・途中・終了後の水分補給

は非常に重要です。

「疲れを取るためにサウナへ行ったのに、無理をしてさらに疲れる」

という状態にならないようにしたいところです。


筋トレ・ストレッチ・睡眠・サウナを組み合わせる

私は普段、

腹筋・背筋・スクワットなどの筋トレ+ストレッチ

を続けています。

そこへ週末のサウナを組み合わせています。

この組み合わせは、「休養学」という観点から考えてみても興味深いものがあります。

平日は軽い運動やストレッチ。

夜は睡眠。

休日には普段の環境から離れてサウナへ行く。

そしてサウナ後は無理に予定を詰め込まずゆっくりする。

つまり、

運動 → 休息 → 転換 → 娯楽

という複数の休養方法を組み合わせていることになります。

私自身、サウナだけですべての疲労を解消しようとは考えていません。

むしろ、

「自分の体を定期的にメンテナンスする習慣の一つ」

として利用しています。


仕事の生産性が上がるほど「休み方」が重要になる

働き方改革によって、長時間残業は以前より難しくなっています。

これはもちろん良い方向だと思います。

しかし仕事量そのものが同じなら、

短い時間でより多くの成果を出す

ことが求められます。

結果として、

「労働時間は減ったのに疲れる」

ということも起こります。

だからこれからの時代は、

働き方だけではなく「休み方」も考える必要がある

のではないでしょうか。

仕事の予定は手帳に入れるのに、休養の予定は入れない。

仕事の生産性は考えるのに、疲労回復の方法は考えない。

これでは長期間高いパフォーマンスを維持することは難しいでしょう。

休養学でいう「攻めの休養」という考え方は、この点で非常に参考になります。

疲れて動けなくなってから休むのではなく、

疲れ切る前に意識的に回復する時間を確保する。

私にとって、その選択肢の一つが週末のサウナです。


まとめ|サウナは「疲れてから行く場所」ではなく「疲れをためない習慣」に

仕事、家事、運動、人間関係。

私たちは毎日さまざまなことでエネルギーを使っています。

若い頃なら多少無理をしても翌日には回復したものが、年齢を重ねるにつれて、

「メンテナンスしないと疲れが残る」

と感じることが増えてきました。

だからこそ、

筋トレをする。

ストレッチをする。

しっかり眠る。

時には何もしない。

そしてサウナへ行く。

こうした一つ一つを、

「次の一週間を元気に過ごすための投資」

と考えるようになりました。

サウナの医学的な効果については、まだ研究途中の部分も少なくありません。

それでも私自身は、

仕事から強制的に離れ、スマートフォンを置き、自分の身体だけに意識を向ける時間

に大きな価値を感じています。

サウナ室に入り、水や風で体を冷まし、椅子に座って何も考えない。

毎週忙しく働いているからこそ、そんな時間が必要なのかもしれません。

「休むこと」は仕事をしないことではありません。

次に活動するための準備です。

これからも私は、筋トレやストレッチ、睡眠などと組み合わせながら、週末のサウナを自分なりの「攻めの休養」として楽しんでいきたいと思います。

※本記事はサウナの健康効果について一般的な研究・資料と筆者自身の体験をもとにまとめたものです。サウナの感じ方や適切な利用方法には個人差があります。持病のある方や体調に不安のある方は医師等に相談し、無理のない範囲で利用してください。

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