いつものローソンが「日本1号店」だった|50年続くローソンの現在と未来を調べてみた

いつものローソンが日本第1号店だった 資産運用
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普段何気なく利用している近所のコンビニ。

先日、いつものようにローソンへ行ったところ、店内にこんな掲示があることに気付きました。

「ローソン1号店『桜塚店』」

「えっ、ここがローソンの1号店だったの?」

少し驚いて調べてみると、このローソン桜塚店は、1975年6月14日に大阪府豊中市でオープンした日本におけるローソンの第1号店でした。

私は最近、セブン‐イレブンやファミリーマートの戦略についてブログで取り上げてきました。

一方、普段から利用しているローソンについては、意外と詳しく調べたことがありません。

しかも、その店が日本1号店だった。

そこで今回は、この偶然をきっかけに、ローソンはどんな会社なのか、現在どこまで成長しているのか、そしてKDDI・三菱商事との連携でどこへ向かおうとしているのかを調べてみました。


ローソンは大阪・豊中から始まった

いつものローソンが日本1号店だった 50年の歩みとこれからのローソン

ローソンという名前から、最初から日本企業だったと思っている方もいるかもしれません。

ルーツは米国です。

米国オハイオ州でJ.J.ローソン氏が営んでいた牛乳販売店が起源となり、その後「ローソンミルク社」へと発展しました。

日本では当時ダイエーがノウハウを導入し、1975年6月14日に大阪府豊中市南桜塚で「ローソン桜塚店」をオープンしました。

当時の店舗は現在のコンビニとはかなり違います。

「アメリカンテイスト」を前面に出し、パーティーフーズなどを扱う店としてスタートしました。

今回私が撮影した店内の写真にも、当時の店舗の姿が紹介されています。

現在の青を基調としたローソンとはかなり印象が違います。

そして2025年、ローソンは創業50周年を迎えました。

その際には、この桜塚店で50年前の外観を再現するラッピングまで行われています。

いつも利用しているコンビニが、日本のローソンの歴史が始まった場所だったわけです。


50年後、ローソンはどこまで大きくなった?

1975年に大阪の1店舗からスタートしたローソン。

2026年2月末時点では、国内店舗数は14,697店、連結ベースの全店舗売上高は3兆223億円に達しています。

さらに海外にも積極的に進出しています。

2026年2月末時点では、中国6,977店、タイ227店、フィリピン236店、インドネシア351店、ハワイ2店などを展開。

国内外を合わせると22,490店舗です。

特に注目したいのが中国です。

中国だけですでに約7,000店。

ローソンは「日本のコンビニ」というだけではなく、アジアで店舗網を拡大する小売企業になっています。


国内は「店舗数を増やせば成長」の時代ではない

ただし、国内を見ると興味深い変化があります。

2025年2月から2026年2月にかけて、国内総店舗数は

14,694店 → 14,697店

わずか3店舗の純増でした。

つまり、国内では大量出店によって成長する段階ではなくなってきたと考えられます。

一方、海外店舗は同じ期間に

7,394店 → 7,793店

と399店舗増えています。

ここからローソンの成長戦略が見えてきます。

国内=1店舗当たりの生産性向上

海外=店舗網の拡大

という二つの方向です。


足元のローソンの売上はどうなっている?

最新の月次データも見てみました。

2026年7月のローソン・ナチュラルローソンの既存店売上高は前年同月比101.4%

客数101.2%、客単価100.2%でした。

さらに8月までの数字を見ると、平均日販は3月の58.1万円から8月には61.8万円まで上昇しています。

もちろん季節性があるので単純比較はできません。

それでも国内コンビニ市場が成熟する中で、「店をどんどん増やす」よりも、

既存店をいかに強くするか

が重要になっていることが分かります。

スイーツ、からあげクン、店内厨房など、ローソン独自の商品を強化しているのも、その戦略の一つでしょう。


実はローソン株はもう買えない

投資をしている私にとって、ここも興味深いポイントでした。

現在、ローソン株を直接購入することはできません。

ローソンは2024年7月24日に上場廃止となっています。

背景にあるのが、

三菱商事 × KDDI × ローソン

という新しい体制です。

KDDIはローソンへの出資比率を50%まで引き上げ、三菱商事と共同でローソンの経営を支える体制になりました。

個人的には、ここからのローソンがかなり面白いと思っています。

なぜなら、単なるコンビニ企業ではなく、

「コンビニ+通信+デジタル+商社」

という会社に変わり始めているからです。


KDDIが入ったローソンは何を目指している?

KDDIには約3,100万のモバイルIDがあり、ローソンには全国約1万4,600店というリアルな店舗網があります。

KDDIは、この組み合わせによって約1万7,000店舗規模の生活者との接点を構築できると説明しています。

ここで重要になるのが、

Ponta

au PAY

Pontaパス

povo

などとの連携です。

これまでのコンビニは、

「商品を置く → お客さんが来る → 買ってもらう」

というビジネスでした。

これからは、

通信ID → 顧客データ → 来店 → 購買 → ポイント → 再来店

までを一つの経済圏として捉えられるようになります。

これはセブン‐イレブンやファミリーマートとは少し違う、ローソンならではの武器になる可能性があります。

コンビニ業界を見ると、ローソンだけでなくファミリーマートも大手企業との連携を強めています。
ファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠商事は、「利は川下にあり」という考え方のもと、消費者に近い事業を強化しています。
▶ 伊藤忠商事とファミリーマートの戦略についてはこちらの記事で詳しくまとめています。

伊藤忠商事はなぜ高く評価される?「利は川下にあり」戦略と株価・業績を投資家目線で分析
伊藤忠商事の株価は今後どうなる?岡藤会長が進める「利は川下にあり」「マーケットイン」戦略を解説。ファミリーマートや食料事業再編、業績、PER・PBR、チャート、アナリスト目標株価から上昇余地を分析し、消費者・投資家としての付き合い方を考えます。

「未来のローソン」はAIとロボットが働く?

すでに実験は始まっています。

高輪ゲートウェイでは「Real×Tech LAWSON」が開業しています。

ここではAIカメラによる行動解析を使い、商品棚の前で迷っている人にランキングやおすすめ商品をサイネージで表示する仕組みなどが導入されています。

さらに、

  • 飲料陳列ロボット
  • 自動清掃ロボット
  • 自動調理ロボット
  • AIによる店舗業務分析

なども実証されています。

ローソンは2030年度までに店舗オペレーションを30%削減することを目指しています。

これは単なる「未来っぽいコンビニ」の話ではありません。

日本では人手不足が深刻になっています。

24時間営業を基本とするコンビニにとって、

「人が集まらなくても店舗を運営できる仕組み」

を作れるかどうかは、将来の競争力を左右する可能性があります。


さらにローソンが「広告媒体」になる

もう一つ面白い動きが始まりました。

2026年9月、KDDIと三菱商事は合弁会社を設立し、ローソンのデジタルサイネージ「ローソンビジョン」を利用したリテールメディア事業を本格化させました。

2027年夏までに首都圏・関西圏を中心に3,000店舗まで広げ、その後全国展開を目指しています。

これはかなり重要だと思います。

コンビニの収益源が、

商品を売る

だけではなく、

広告を売る

方向にも広がるからです。

全国約1万5,000店に近いリアル店舗をメディア化できれば、ローソンの店舗網そのものが広告資産になります。


ローソンの強みと課題を整理してみる

私なりに現在のローソンを整理すると、次のようになります。

強み課題
全国約1万4,600店の店舗網国内コンビニ市場の成熟
三菱商事の調達・物流力人手不足・人件費上昇
KDDIの通信・デジタル基盤セブン・ファミマとの競争
Ponta経済圏国内店舗数の大幅増が難しい
中国を中心とした海外展開ローソンストア100の店舗縮小
AI・ロボット活用DX投資を利益に結び付けられるか

特に気になるのはKDDIとのシナジーをどこまで収益化できるかです。

技術を導入するだけなら難しくありません。

それによって、

「人件費が下がった」

「廃棄が減った」

「客単価が上がった」

「広告収入が増えた」

という数字につながって初めて、本当の意味で成功したと言えるでしょう。

同じ小売業でも、ドン・キホーテを展開するPPIHは独自の商品構成や店舗づくりで成長を続けています。
成熟した国内小売市場で、企業がどのように差別化しているのかを比較すると興味深いところです。
▶ ドン・キホーテを運営するPPIHの成長戦略はこちらで分析しています。

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投資家目線では「ローソンそのもの」よりKDDIと三菱商事を見る

ローソンは非上場なので、ローソン株への直接投資はできません。

そのため投資家としてローソンの成長を見るなら、

KDDIと三菱商事

という二つの上場企業から見ることになります。

特に興味深いのはKDDIです。

携帯電話市場も国内コンビニ市場も、それぞれ成熟市場です。

ところが、

通信 × コンビニ × 金融 × ポイント × 広告 × AI

を組み合わせると、新しい収益機会が生まれる可能性があります。

ローソン買収は「コンビニ事業への投資」というより、KDDIがリアル店舗という巨大な顧客接点を手に入れた、と考えた方が分かりやすいかもしれません。

国内コンビニ市場が成熟するなか、各社は「コンビニで何を売るのか」についても新しい挑戦を始めています。
セブン‐イレブンでは食品や日用品だけでなく、衣料品分野にも力を入れ始めています。
▶ セブン‐イレブンが衣料品を強化する理由についてはこちらでまとめています。

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50年前の1号店から「AIコンビニ」へ

今回、いつも利用しているローソンが日本1号店だったことを知ったのをきっかけに、ローソンについて調べてみました。

1975年。

大阪府豊中市の桜塚店から始まったローソン。

それから約50年。

国内約1万4,600店舗、海外を合わせれば2万店を超えるチェーンへ成長しました。

そして今度は、三菱商事とKDDIをバックに、

「Real × Tech」

という次の50年に向けた実験を始めています。

偶然ですが、50年前に日本のローソンが始まった店を普段から利用していたというのは、少し不思議な感じがします。

次にこの店へ行ったときは、

「ここから全国1万店以上のローソンが始まったのか」

と思いながら店内を見ることになりそうです。

そして50年前の1号店から始まったローソンが、これからAIやロボットを使った「未来のコンビニ」にどう変わっていくのか。

セブン‐イレブン、ファミリーマートと合わせて、今後もコンビニ3社の違いを追ってみたいと思います。

【コンビニ業界をもう少し詳しく知りたい方へ】
今回ローソンについて調べてみると、普段何気なく利用しているコンビニの裏側には、商品開発、物流、フランチャイズ、出店戦略など、さまざまな仕組みがあることが分かります。
コンビニ業界全体の仕組みや、セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソンなど各社の特徴をもう少し詳しく知りたい方には、こちらの書籍も参考になります。
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【参考・公式サイト】

・ローソン「ローソンの歴史」
・ローソン「50年のあゆみ」
・ローソン「会社概要」
・ローソン「売上高/店舗数」
・ローソン「50年前の1号店『桜塚店』を再現」


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