トヨタとホンダ、今買うならどちら?業績・PER・チャート・目標株価を徹底比較

トヨタVSホンダ今買うならどちら? 資産運用

日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車とホンダ。

どちらも世界的なブランド力を持つ大型株ですが、事業内容や収益構造、現在の株価水準には大きな違いがあります。

トヨタは世界最大級の販売規模とハイブリッド車の強さが魅力です。一方、ホンダは高収益の二輪事業と4%を超える配当利回りが注目されます。

そこで今回は、トヨタとホンダについて、次の4つの視点から比較します。

  • 業績
  • バリュエーション
  • 株価チャート
  • アナリスト予想

結論からいうと、2026年8月25日時点では、総合的な投資妙味はトヨタがやや優位だと考えます。

ただし、配当収入を重視するなら、ホンダにも十分な魅力があります。

※本記事の株価や指標は、原則として2026年8月25日終値時点の情報を使用しています。

結論:安定性と上値余地ならトヨタ、配当とPBRならホンダ

トヨタVSホンダ投資比較

最初に、今回の比較結果をまとめます。

比較項目トヨタホンダ
証券コード72037267
株価3,082円1,696円
100株購入額約30万8,000円約17万円
会社予想PER11.6倍16.5倍
PBR0.98倍0.53倍
予想配当利回り3.24%4.13%
年間配当予想100円70円
アナリスト平均目標株価約3,702円約1,706円
目標株価までの上値余地約20%約0.6%

トヨタは、収益力、資本効率、PER、アナリストの上値余地で優位です。

ホンダは、PBRと配当利回りでトヨタを上回っています。

簡単に整理すると、次のような違いがあります。

  • トヨタ:安定性と値上がり益を重視する投資家向け
  • ホンダ:配当収入と低PBRを重視する投資家向け

ただし、ホンダの株価は年初来高値に近く、アナリストの平均目標株価にも到達しています。

現在の株価位置まで考えると、今から買いやすいのはトヨタだと考えます。

トヨタとホンダは収益構造が違う

トヨタとホンダは同じ自動車メーカーですが、事業構成には違いがあります。

トヨタは、四輪車を中心に金融事業も大きな利益を生み出しています。

世界各国に販売網を持ち、特定地域や特定車種への依存が比較的小さいことが強みです。

一方、ホンダは四輪車だけでなく、二輪車でも世界トップクラスの事業規模を持っています。

特に二輪事業は利益率が高く、四輪事業の苦戦を補う重要な収益源です。

つまり、両社の違いは次のように整理できます。

  • トヨタ:世界的な四輪車メーカーとしての総合力
  • ホンダ:四輪・二輪・金融の組み合わせ

ホンダ株への投資を検討する場合、四輪車だけでなく二輪事業の成長性を見ることが重要です。

トヨタの最新業績を確認

トヨタの2027年3月期第1四半期決算は、増収減益となりました。

トヨタ第1四半期実績前年同期比
営業収益13兆5,254億円+10.4%
営業利益1兆634億円−8.8%
純利益1兆4,770億円+75.6%
営業利益率7.9%低下

売上にあたる営業収益は10.4%増加しましたが、本業の利益を示す営業利益は8.8%減少しました。

一方、純利益は75.6%増えています。

ただし、この純利益の増加には持分法投資損益など営業外の要因も含まれています。

そのため、今回のトヨタ決算については、「純利益75.6%増」という数字だけでなく、本業の営業利益が減少した点も確認しておく必要があります。

トヨタの通期業績予想

2027年3月期の会社予想は次のとおりです。

項目2027年3月期予想前期比
営業収益54兆円+6.5%
営業利益3兆4,000億円−9.7%
純利益3兆2,500億円−15.5%
予想EPS272.17円
年間配当100円前期95円から増配

今期は営業利益、純利益ともに減益予想です。

それでも営業利益3兆4,000億円という規模は大きく、世界的な自動車メーカーとしての収益力は健在です。

また、年間配当は前期の95円から100円へ増配される予想です。

トヨタの強み

トヨタの主な強みは次のとおりです。

  • 世界最大級の自動車販売規模
  • ハイブリッド車の高い競争力
  • 車種や販売地域が幅広い
  • 金融事業も安定した利益を生む
  • 自社株買いによる株主還元が期待できる
  • EVだけに偏らないマルチパス戦略

特に現在は、世界のEV需要が当初の想定ほど一方向に伸びていません。

EV、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など、複数の選択肢を持つトヨタの戦略は、環境変化に対応しやすいと考えられます。

トヨタのリスク

一方、次の点には注意が必要です。

  • 米国の関税政策
  • 円高による為替差損
  • 原材料費や人件費の上昇
  • 中国メーカーとの価格競争
  • EV・ソフトウェア分野への研究開発費
  • 世界景気悪化による自動車需要の減少

トヨタは海外売上比率が高いため、円高になると円換算した利益が減りやすくなります。

ホンダの最新業績を確認

ホンダの2027年3月期第1四半期決算は、非常に強い内容でした。

ホンダ第1四半期実績前年同期比
売上収益6兆615億円+13.5%
営業利益5,307億円+117.4%
純利益4,509億円+129.3%
営業利益率約8.8%大幅改善

営業利益は前年同期比で2倍以上となり、四半期として過去最高を記録しました。

二輪車の販売増加、北米を中心とした四輪車販売、為替やコスト改善などが利益を押し上げています。

ホンダを支える二輪事業

ホンダの事業別営業利益を見ると、二輪事業の強さがよく分かります。

事業営業利益営業利益率
二輪事業2,339億円20.5%
四輪事業1,921億円5.0%
金融サービス事業1,058億円10.3%
その他−11億円−1.2%

二輪事業の営業利益率は20.5%です。

四輪事業の営業利益率5.0%と比較すると、二輪事業がホンダの収益を大きく支えていることが分かります。

インドやブラジルなど、新興国では二輪車市場の成長余地が残っています。

ホンダは日本の自動車株というだけでなく、新興国の二輪車需要に投資できる企業でもあります。

ホンダの通期業績予想

ホンダの2027年3月期会社予想は次のとおりです。

項目2027年3月期予想
売上収益24兆1,500億円
営業利益6,500億円
純利益4,000億円
予想EPS102.75円
年間配当70円

ここで注意したいのが、第1四半期の営業利益が5,307億円であるにもかかわらず、通期予想は6,500億円にとどまっていることです。

単純に第1四半期の利益を4倍して、年間2兆円以上の営業利益になると考えることはできません。

会社は今後、EV関連損失などの発生を見込んでいます。

EV関連などの特殊要因を除く調整後営業利益は1兆円規模とされていますが、今期の最終的な利益には不透明感が残ります。

ホンダの強み

ホンダの主な強みは次のとおりです。

  • 二輪車で世界トップクラス
  • 二輪事業の営業利益率が高い
  • インドやブラジルなどの成長を取り込める
  • 金融サービス事業が安定している
  • 配当利回りが4%を超える
  • PBRが0.5倍台

ホンダのリスク

注意すべきポイントは次のとおりです。

  • EV関連損失の拡大
  • 中国市場での販売苦戦
  • ASEAN市場での競争激化
  • 四輪事業の利益率の低さ
  • 高い配当を今後も維持できるか
  • 為替や米国関税の影響

ホンダの最大の課題は、四輪事業の収益性です。

二輪事業は非常に強いものの、四輪事業の利益率が改善しなければ、企業全体の評価が大きく上がりにくい可能性があります。

PERを比較するとトヨタが割安

株価の割高・割安を判断する代表的な指標がPERです。

PERは、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示します。

2026年8月25日時点の会社予想PERは次のとおりです。

  • トヨタ:11.6倍
  • ホンダ:16.5倍

会社予想利益を基準にすると、トヨタの方が割安です。

ホンダは低PBR銘柄という印象がありますが、今期の予想利益に対するPERはトヨタより高くなっています。

ただし、ホンダの今期利益にはEV関連損失が含まれるため、特殊要因がなくなれば来期以降のPERが低下する可能性があります。

現在のPERだけを見て、「ホンダは割高」と決めつけるのも適切ではありません。

PBRを比較するとホンダが割安

PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。

  • トヨタ:0.98倍
  • ホンダ:0.53倍

PBRではホンダが大幅に割安です。

ホンダの1株当たり純資産は約3,175円ですが、株価は1,696円です。

株価は純資産の約半分までしか評価されていません。

ただし、PBRが低いから必ず株価が上がるわけではありません。

PBRが低い企業には、資本を使って十分な利益を生み出せていないという市場の評価が反映されていることがあります。

ホンダのPBRが上昇するためには、四輪事業の利益率改善やEV投資の成果などにより、ROEを高める必要があります。

配当利回りではホンダが優位

100株保有した場合の年間配当を比較します。

銘柄100株の投資額年間配当・税引前配当利回り
トヨタ約30万8,000円1万円3.24%
ホンダ約17万円7,000円4.13%

配当利回りではホンダが優位です。

約17万円で100株購入でき、年間7,000円の配当が期待できます。

NISAで保有すれば、日本国内の配当金にかかる税金を抑えられるため、長期的に配当を受け取りたい人には魅力があります。

ただし、ホンダの会社予想EPS102.75円に対して年間配当は70円です。

今期の予想利益に対する配当負担は小さくないため、EV関連損失が長引いた場合には注意が必要です。

株価チャートを比較

企業の業績が良くても、すでに株価が大きく上昇していれば、短期的な投資妙味は小さくなります。

ここからは、現在の株価位置を比較します。

トヨタのチャート分析

トヨタ日足チャート

トヨタの2026年の株価は次のように推移しています。

  • 年初来高値:4,000円
  • 年初来安値:2,686円
  • 2026年8月25日終値:3,082円

現在の株価は、年初来安値から約15%上昇しています。

一方、年初来高値からは約23%低い水準です。

6月につけた2,686円を底に反発し、短期的には回復傾向にあります。

ただし、中期的には本格的な上昇トレンドに戻ったとまではいえません。

チャート上で意識されそうな水準は次のとおりです。

  • 3,000円:心理的な節目
  • 2,850~2,900円:押し目候補
  • 2,686円:重要な下値
  • 3,200~3,300円:目先の上値抵抗
  • 4,000円:年初来高値

3,000円前後を維持できれば、下値を固めながら3,300円付近を目指す展開が考えられます。

反対に3,000円を明確に割り込むと、2,850円前後まで調整する可能性があります。

ホンダのチャート分析

ホンダ日足チャート

ホンダの株価は次のように推移しています。

  • 年初来高値:1,762.5円
  • 年初来安値:1,238円
  • 2026年8月25日終値:1,696円

現在の株価は年初来安値から約37%上昇し、高値からは約4%低い水準です。

トヨタよりも明確な上昇トレンドですが、すでに高値圏にあります。

チャート上で意識されそうな水準は次のとおりです。

  • 1,600~1,650円:押し目候補
  • 1,500円前後:中期的な下値目安
  • 1,762.5円:年初来高値
  • 1,800円:心理的な上値抵抗

株価が年初来高値を更新すれば上昇が続く可能性があります。

一方、これまでの上昇幅が大きいため、利益確定売りによる調整には注意が必要です。

チャートの強さはホンダですが、現在の水準からの買いやすさではトヨタが優位です。

※本記事の株価・バリュエーション・アナリスト予想は原則として2026年8月25日時点、株価チャートは2026年8月26日終値時点の情報を使用しています。

アナリスト予想を比較

アナリストの平均目標株価を比較すると、両社には大きな違いがあります。

トヨタのアナリスト予想
ホンダのアナリスト予想

項目トヨタホンダ
現在株価3,082円1,696円
平均目標株価約3,702円約1,706円
上値余地約20%約0.6%
コンセンサス買い買い
買い系評価14人7人
中立評価5人10人
売り系評価0人0人

トヨタは19人中14人が買い系評価で、平均目標株価まで約20%の上値余地があります。

一方、ホンダもコンセンサスは「買い」ですが、17人中10人が中立です。

平均目標株価1,706円に対して現在株価は1,696円なので、アナリストが想定する適正価格にほぼ到達しています。

もちろん、目標株価は将来の株価を保証するものではありません。

それでも、現在の株価から見た期待リターンでは、トヨタの方が有利だと判断できます。

トヨタとホンダを項目別に評価

評価項目優位な銘柄主な理由
本業の安定性トヨタ規模、商品構成、販売地域の分散
第1四半期の勢いホンダ営業利益が過去最高
四輪事業の収益力トヨタホンダ四輪の利益率は5%
二輪事業ホンダ営業利益率20.5%
PERトヨタ会社予想11.6倍
PBRホンダ0.53倍
配当利回りホンダ4.13%
資本効率トヨタ実績ROE約10%
チャートの強さホンダ年初来高値圏
現在の買いやすさトヨタ高値から約23%下
アナリストの上値余地トヨタ平均目標株価まで約20%
総合評価トヨタ安定性と期待リターンのバランス

どのような投資家に向いているか

トヨタが向いている人

トヨタは、次のような人に向いていると考えます。

  • 日本を代表する大型株を長期保有したい
  • 配当だけでなく値上がり益も狙いたい
  • 自動車株の中でも安定性を重視したい
  • ハイブリッド車の成長性を評価している
  • PERが比較的低い銘柄を選びたい

ホンダが向いている人

ホンダは、次のような人に向いています。

  • 配当利回り4%以上を重視したい
  • PBR0.5倍台の低評価に注目している
  • 二輪車市場の成長性を評価している
  • EV関連損失は一時的だと考えている
  • 株価変動を受け入れて長期保有できる

今から買うならどうするか

現在の株価で1社を選ぶなら、私はトヨタを優先します。

理由は次の5点です。

  1. 本業の利益規模と安定性が高い
  2. 会社予想PERが11倍台で割高感が小さい
  3. 配当利回りも3%を超えている
  4. ホンダよりチャートの過熱感が小さい
  5. アナリスト平均目標株価まで約20%の余地がある

ただし、トヨタも今期は減益予想です。

米国関税、円高、中国市場などのリスクもあるため、一度に予定額の全額を投資する必要はありません。

例えば30万円投資する場合は、次のような分割購入が考えられます。

  • 1回目:現在の3,000円前後で10万円
  • 2回目:2,850~2,900円へ下落した場合に10万円
  • 3回目:次回決算を確認して残り10万円

ホンダについては、株価が年初来高値圏にあり、平均目標株価にもほぼ到達しています。

購入を急がず、1,600~1,650円程度への調整を待つ方法も選択肢です。

両方保有する方法もある

トヨタとホンダは、それぞれ異なる強みを持っています。

どちらか一方に絞らず、両方を保有することで、四輪車、二輪車、金融事業に分散できます。

配分例は次のとおりです。

投資方針トヨタホンダ
安定性重視70%30%
バランス重視60%40%
配当重視50%50%
二輪車の成長重視40%60%

私が現在の株価で両社に投資するなら、トヨタ70%、ホンダ30%程度から検討します。

ホンダの株価が調整した場合に、少しずつホンダの比率を高める方法が取りやすいでしょう。

まとめ:現在の総合評価はトヨタが一歩リード

トヨタとホンダは、どちらも日本を代表する優良企業です。

しかし、投資対象として比較すると、それぞれの魅力は異なります。

トヨタは、世界的な販売規模、ハイブリッド車の競争力、利益の安定性が強みです。

PERは11倍台で、アナリスト平均目標株価まで約20%の上値余地があります。

一方のホンダは、二輪事業の高い収益力、PBR0.5倍台、4%を超える配当利回りが魅力です。

ただし、現在の株価は年初来高値に近く、平均目標株価にもほぼ到達しています。

以上を踏まえると、現時点の評価は次のようになります。

  • 値上がり益と安定性を重視するならトヨタ
  • 配当と低PBRを重視するならホンダ
  • 現在の株価から1社を選ぶならトヨタ
  • ホンダは株価調整時に少額購入を検討

自動車株は、為替、関税、景気、原材料価格などの影響を大きく受けます。

どちらを選ぶ場合も、一括購入ではなく、株価や決算を確認しながら分散して購入することが大切です。

※本記事は個人的な見解を含む情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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