AI時代に価値が上がる仕事とは?ブルーカラー年収1000万円時代から考える「人にしかできない仕事」

AI時代に価値が上がる仕事とは? 歴史・教養
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AIの急速な発展によって、私たちの働き方が大きく変わろうとしています。

これまでこのブログでは、AI、半導体、データセンター、電力、銅などについて調べてきました。

AIが普及すれば半導体が必要になり、データセンターが増え、膨大な電力が必要になります。そして、そのインフラを作るためには建設や電気設備など、さまざまな産業が必要になります。

そんな中、今回読んだのが、

『ブルーカラー「年収1000万円」時代』

という本です。

この本を読みながら、私は一つのことを考えました。

「AIによって価値が下がる仕事と、逆に価値が上がる仕事が出てくるのではないか?」

そしてもう一つ。

「自分が長年やってきた営業という仕事は、AI時代にどんな価値を持つのだろう?」
「そして数年後、営業の第1線を退いた後、どのような仕事が出来るのだろう?」

今回は、AIによる産業構造の変化から、ホワイトカラー・ブルーカラー、そして営業の仕事について考えてみたいと思います。


「ホワイトカラーの方が安泰」という時代が変わる?

AIの発展で広がる産業と、仕事の価値の変化

これまで一般的には、

「大学を卒業して会社員になる」

「オフィスで働く」

「専門知識を身につける」

といった働き方が比較的安定していると考えられてきました。

一方、建設、製造、物流、設備工事などの仕事は、体力的にも大変な仕事というイメージを持たれることがあります。

しかし、生成AIの登場によって、この構図が少しずつ変わってきました。

AIが得意なのは、例えば、

  • 文章を作る
  • 情報を整理する
  • データを分析する
  • 翻訳する
  • プログラムを書く
  • 資料を作成する
  • アイデアを出す

といった仕事です。

つまり、意外なことにパソコンの中だけで完結する仕事ほどAIとの親和性が高いのです。

もちろん、これらの職業そのものがなくなるという意味ではありません。

しかし「人間が一から全部やる必要があるのか」という部分については、今後かなり変化していく可能性があります。


一方でAIが簡単にはできない仕事がある

では、ブルーカラーの仕事はどうでしょうか。

例えば、

電気工事、建設、設備保守、空調工事、物流、機械整備などです。

こうした仕事には共通点があります。

現場が毎回違うことです。

図面通りにいかない。

設備の状態が違う。

天候が違う。

周囲の人や車の動きも違う。

そして、その場で状況を判断しながら身体を動かす必要があります。

AIが文章を書くことと、AIが実際の建設現場へ行って設備を修理することでは、技術的な難易度がまったく違います。

ロボット技術も進歩していますので、将来的にはこの分野でも自動化が進むでしょう。

それでも当面は、現場経験を持つ人の価値が高まる可能性があると感じました。

AIの発展を支えているのは、AIサービスだけではありません。GPUなどの半導体を設計する企業から、材料、製造装置、製造、検査まで、巨大なサプライチェーンが存在します。
半導体業界全体の仕組みについては、こちらの記事で初心者向けに整理しています。

AIブームで話題の半導体業界の仕組みを初心者向けに解説|NVIDIA・キオクシア・東京エレクトロンは何をしている会社?
半導体業界の仕組みを初心者向けに解説。NVIDIA、TSMC、東京エレクトロン、アドバンテスト、レゾナック、キオクシア、村田製作所など具体的な企業を例に、設計・材料・製造装置・製造・検査・後工程までの流れを分かりやすく整理します。

AIが発展するほど「現場の仕事」が必要になるという矛盾

ここが非常に面白いところです。

一見すると、

「AIが普及する=人間の仕事が減る」

と思ってしまいます。

しかし実際には、AIを動かすためにも巨大なリアル産業が必要です。

例えばデータセンターです。

データセンターを建設するには土地が必要です。

建物を建てる人が必要です。

電力設備を設置する人が必要です。

通信設備を整備する人も必要です。

さらにサーバーを冷却するための空調設備も必要になります。

完成して終わりではありません。

設備の点検や修理も必要です。

つまり、

AIというデジタル産業が成長するほど、それを支えるリアルな仕事も増える

という構造があります。

私はこれまでAIとデータセンター、半導体、電力、銅などについて記事を書いてきました。

AIの普及によって需要拡大が期待される「銅」については、こちらの記事でも詳しく取り上げています。

「新たな石油」銅に世界のマネーが向かう理由|AI・データセンターで需要拡大、関連銘柄にも注目
AI・データセンターの拡大で注目される銅。なぜ「新たな石油」と呼ばれるのか。電力網やEV、再生可能エネルギーとの関係、銅の供給制約、日本の関連企業まで投資家目線でわかりやすく解説します。

調べれば調べるほど、

AIはIT業界だけの話ではない

ということが分かってきました。

建設、電力、素材、空調、通信など、非常に多くの産業につながっています。

そして、その先には当然「そこで働く人」がいます。

AIデータセンターには、半導体だけでなく、建設、電力、変圧器、通信設備、空調・冷却設備など、巨大なリアルインフラが必要になります。
AI投資がデータセンター、電力、金融までどのように広がっているのかについては、こちらの記事でも詳しく取り上げました。

AI投資は「金融」へ拡大|日本生命がデータセンターに2兆円、AIマネーの次の行き先は?
「日本生命がAI向けデータセンターなどへの融資残高を2035年度までに2兆円規模へ拡大。三菱UFJ銀行など金融大手もAIインフラへの資金供給を強化しています。AI×半導体、電力、銅に続く『AI×金融』の可能性とリスクを解説します。」

「頭を使う仕事ほど給料が高い」は続くのか

これまで、専門知識や情報を扱う一部のホワイトカラー職は、比較的高い賃金を得る仕事として認識されてきました。

しかしAIは、その「知識を扱うコスト」を大きく下げる可能性があります。

例えば以前なら数時間かかっていた資料作成が、生成AIを使えば短時間でできることがあります。

文章を書くことも同じです。

私自身、ブログを書く中でAIを使っていますが、その能力には驚かされます。

だからこそ今後重要になるのは、

「AIにできるか、できないか」

だけではないと思います。

むしろ、

「AIを使ったうえで、人間は何をするのか」

という考え方が重要になってくるのではないでしょうか。


では「営業」という仕事はAIに代替されるのか

ここで私は、自分自身の仕事について考えました。

私は長年、営業の現場で仕事をしてきました。

営業にもAIで効率化できる仕事はたくさんあります。

例えば、

見積書の作成。

提案資料の作成。

メール作成。

顧客情報の分析。

市場調査。

クライアントとの折衝の前準備として、

こうした仕事に多くの時間を割いている現状を考えると、

今後、かなりAIを活用できる場は増えていくのではないでしょうか。

では、営業そのものもAIに置き換わるのでしょうか。

クライアントの前で、パソコンを開いて、「この動画をご覧ください」と、

人の隣で、AIがプレゼンをする場合もあるかと思いますが、

全てをそれで完結できるとは思えないのです。

なぜなら営業には、数字や文章だけでは表現できない部分が非常に多いからです。


営業現場では「正解のない判断」がたくさんある

長く営業をしていると、

「このお客様は価格を気にしているように見えるけれど、本当に気にしているのは別のことではないか」

と感じることがあります。

あるいは、

「今日は商品を売るより話を聞いた方がいい」

という場合もあります。

トラブルが起きれば、メール一本では済まないこともあります。

実際に顧客のところへ行き、

話を聞き、

謝罪し、

社内と調整し、

解決方法を考える。

こうしたことの積み重ねによって、

「この人なら任せられる」

という信頼関係が作られていきます。

これは営業資料を上手に作る能力とは少し違います。

何年、何十年という現場経験の中で身につけていくものです。


AI時代だからこそ「経験」の価値が上がるかもしれない

ここで少し面白い逆転が起きる可能性があります。

AIが普及すると、誰でも一定レベルの資料を作れるようになります。

文章も作れます。

データ分析もできます。

つまり、

「資料を作れること」そのものの価値は相対的に下がる

可能性があります。

では、どこで差がつくのでしょうか。

私は、

何を調べるのか

何を質問するのか

顧客が本当に困っていることは何なのか

AIが出した答えをどう判断するのか

という部分だと思います。

そこでは経験が生きてきます。

AIは大量の情報を処理できます。

しかし、

「この場面では何が重要なのか」

を判断するには、現場経験が大きな意味を持つのではないでしょうか。

AIによる変化は、半導体やデータセンターだけではありません。既存企業のビジネスモデルや「人と仕事をどう結びつけるか」という部分にも変化が広がっています。
AIによって既存ビジネスそのものがどう変わるのかについては、リクルートHDを分析した記事でも考えています。

リクルートHDを9,510円で売却、その後株価は1万7,000円台へ|私が見逃した「隠れAI株」の成長
リクルートHD(6098)を7,339円で購入し9,510円で売却。その後一時6,040円まで下落した株価は1万7,000円台へ上昇しました。なぜここまで上がったのか。IndeedのAI活用、HRテクノロジー事業、業績・EPS・PERとチャートから、売却後に見逃していた成長要因を振り返ります。

「AIか人間か」ではなく「AI×経験」

AIについて考えると、

「AIに仕事を奪われる」

という話になりがちです。

しかし今回この本を読みながら考えたのは、少し違う未来です。

これから重要になるのは、

AI vs 人間

ではなく、

AI × 人間

なのではないでしょうか。

例えば、

AI × 営業経験

AI × 現場経験

AI × 技術力

AI × 専門知識

です。

AIを使えば、これまで数時間かかっていた仕事を短時間で終わらせることができます。

そこで生まれた時間を、人とのコミュニケーションや現場での判断に使うこともできます。

そう考えると、AIは経験を無価値にするものではありません。

むしろ、

長年積み上げてきた経験を増幅する道具

になる可能性があります。


50代だからこそAIを使った方がいいのかもしれない

私自身、50代になってからブログを始め、AIを使うようになりました。

最初は、

「こんなことまでAIでできるのか」

と驚くことばかりでした。

しかし使っているうちに考え方が少し変わりました。

若い人と同じように新しい技術を覚える必要はあります。

一方で、若い頃から積み重ねてきた経験まで捨てる必要はありません。

むしろ、

これまでの経験 × AI

という組み合わせを考えればいい。

営業を長くやってきた人なら営業経験。

製造現場で働いてきた人なら製造経験。

建設現場なら建設経験。

経理なら経理経験。

それぞれが持っている経験にAIを組み合わせる。

これは、50代以降の働き方を考えるうえでも重要な視点なのではないかと思います。

今回、働き方を考えるきっかけになった一冊

今回の記事を書くきっかけになったのが、『ブルーカラー「年収1000万円」時代』です。

AIの発展によってホワイトカラーとブルーカラーの価値がどう変わっていくのか。
「AIによって仕事がなくなる」という視点だけではなく、これから価値が高まる仕事は何なのかを考えるきっかけになりました。

特に、これまで当たり前だと思っていた「ホワイトカラーの方が高収入になりやすい」という構造そのものが変わる可能性について考えさせられました。

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AI時代に変わるのは「仕事」だけではなく「仕事の価値」

『ブルーカラー「年収1000万円」時代』を読んで改めて感じたのは、

AIによって単純に仕事がなくなるという話ではなく、

社会の中で評価される仕事そのものが変わっていく可能性がある

ということです。

これまで高く評価されていた仕事の一部がAIによって効率化される。

一方、人手不足が続き、AIだけでは代替できない現場の仕事の価値が高まる。

そして営業のような仕事でも、事務作業はAIに任せ、人間は信頼関係や判断といった部分に集中するようになる。

そう考えると、これから起きるのは、

「AIによる人間の代替」だけではなく、「人間の仕事の再定義」

なのかもしれません。

AI、ロボット、自動化が進んだ10年後。

「どんな仕事が高収入なのか」

「どんな経験が評価されるのか」

「ホワイトカラーとブルーカラーという区分自体に意味があるのか」

今とはかなり違った景色になっている可能性があります。

だからこそ私は、

AIにできることを恐れるより、AIにできない自分の経験は何なのかを考える。

そして、

その経験にAIを掛け合わせる。

これが、これからの働き方を考える一つのヒントになるのではないかと思います。

参考資料・公式サイト

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