ペット市場は成長産業?犬猫の高齢化から考えるペット関連株を初心者向けに解説

ペット市場は成長産業?の説明図 資産運用

犬や猫と暮らしていると、意外とお金がかかると感じることはないでしょうか。

毎日のフードだけでなく、動物病院、ペット保険、トリミング、健康診断、サプリメントなど、ペットに関連するサービスは以前よりも充実しています。

実は投資家の視点から見ても、この変化は興味深いものがあります。

日本では犬や猫の飼育頭数が大きく増えているわけではありません。

それにもかかわらず、国内のペット関連市場は約2兆円規模へ拡大しています。

なぜなのでしょうか。

今回は、

「ペットの家族化 × 高齢化 × 1頭あたり支出額の増加」

という視点から、ペット市場の成長性とペット関連株について、投資初心者向けに分かりやすく考えてみます。

※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

日本のペット市場は約2兆円へ

日本のペット市場について、

「少子高齢化で人口が減っているのだから、ペット市場も縮小するのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

ところが、実際には市場規模は拡大しています。

矢野経済研究所によると、国内のペット関連総市場は2025年度に1兆9,504億円と推計されています。

さらに2028年度には、

2兆317億円

まで拡大すると予測されています。

つまり日本のペット市場は、いよいよ2兆円規模の市場になろうとしています。

ペット市場の成長理由を説明する図

ポイントは、

「ペットの数が増えているから市場が成長している」というわけではない

ことです。

「ペット数 × 1頭あたり支出額」で考えると分かりやすい

ペット市場の構造を非常にシンプルにすると、

ペットの数 × 1頭あたり年間支出額 = ペット市場

と考えることができます。

2025年の推計飼育頭数は、

犬:約682万頭
猫:約885万頭

となっています。

犬は長く続いた減少傾向から下げ止まりつつありますが、猫を含めても飼育頭数そのものが大きく増加しているわけではありません。

それでもペット市場は拡大しています。

そこで重要になるのが、

「1頭あたりに使うお金」

です。

ペットの家族化や高齢化などによって、1頭の犬や猫にかける支出額が増えることが、市場成長につながっています。

なぜ「1頭あたりの支出」が増えているのか?

背景として大きいのが、

ペットの家族化

です。

以前であれば「犬を飼っている」「猫を飼っている」という感覚だったものが、

「犬や猫も大切な家族の一員」

という考え方に変化してきています。

家族であれば、

「できるだけ良いものを食べさせてあげたい」

「病気になったらきちんと治療してあげたい」

「できるだけ健康で長生きしてほしい」

と考えるのは自然なことでしょう。

こうした意識の変化が、

プレミアムフード・動物医療・ペット保険・健康関連商品

などへの支出につながっています。

犬猫の高齢化も重要な成長テーマ

もう一つ注目したいのが、

ペットの高齢化

です。

飼育環境や動物医療の向上などによって、犬や猫の寿命は延びています。

一方、長生きするようになると、肥満や生活習慣病など健康面の問題も増えてきます。

すると、

長寿命化

健康管理の重要性が高まる

動物医療・療法食・サプリメントなどの需要増加

という流れが生まれます。

これは人間社会の高齢化とも少し似ています。

そのため、ペット市場を単なる「ペット用品市場」として見るのではなく、

ペット・ヘルスケア市場

として考えてみると、違った景色が見えてきます。

ペット市場で注目したい5つの分野

では、具体的にどのような分野に成長余地があるのでしょうか。

個人的に注目したいのは次の5分野です。

① ペットフード

毎日の生活に欠かせないのがペットフードです。

最近では単に価格の安い商品だけではなく、

プレミアムフード
機能性フード
年齢別フード
療法食

など、健康を意識した商品が増えています。

飼育頭数が増えなくても、商品の高付加価値化によって市場を成長させることができる点がポイントです。

② 動物医療

ペットの高齢化によって重要性が増しているのが動物医療です。

一般的な診療だけでなく、

CTやMRIなどを使った検査、高度な手術、がん治療など、人間の医療に近い高度な治療も行われるようになっています。

高度医療が普及すればペットの寿命が延びる可能性があります。

一方で治療費が高額になるケースもあり、これが次の「ペット保険」の需要にもつながります。

③ ペット保険

ペットには人間のような公的健康保険がありません。

そのため高額な治療を受けると、飼い主の負担が大きくなることがあります。

そこで利用されるのがペット保険です。
実際、我が家でもペット保険に加入していますが、民間の医療保険だけを比べると、家族の中でペットの保険料が一番高額かもしれません。

ペットの家族化や医療の高度化が進めば、

「もしもの高額治療に備えたい」

という需要が増える可能性があります。

ただし投資家として見る場合には注意も必要です。

医療費が上昇すると保険会社が支払う保険金も増えるため、

加入者増加=そのまま利益増加

とは限りません。

④ ペット用品・サービス

ペット関連市場はフードや医療だけではありません。

例えば、

トリミング、ペットホテル、おもちゃ、衣類、見守りカメラ、ペットテックなど、

サービスはどんどん多様化しています。

「ペットに快適に暮らしてもらいたい」という需要が、新しい市場を作っています。

⑤ 予防・健康関連

今後、個人的に面白いと思うのが、

「病気になってから治す」から「病気になる前に予防する」

という変化です。

健康診断、サプリメント、機能性フード、遺伝子検査などが広がれば、

人間と同じように、

ペットの予防医療

という市場が大きくなる可能性があります。

ペット関連の上場企業にはどんな会社がある?

日本株にも、ペット市場と関係する上場企業があります。

代表的な企業をいくつか見てみます。

アニコム ホールディングス(8715)

ペット保険の大手企業です。

単に保険を販売するだけではなく、予防・医療などペットの健康に関係する事業も展開しています。

ペット保険契約数が増加している点は注目できます。

一方、ペットの平均寿命の伸びや動物医療の高度化、診療費上昇などによって保険金支払いが増加するリスクもあります。

「ペット医療市場の成長」が追い風にも向かい風にもなる

という点が、保険会社を見る際の重要なポイントです。

日本動物高度医療センター(6039)

高度な動物医療を専門とする企業です。

一般の動物病院から紹介を受け、より高度な診断や治療を行う「二次診療」を中心としています。

ペットの高齢化や医療高度化というテーマを比較的ストレートに受けやすい企業と言えるでしょう。

WOLVES HAND(194A)

動物病院グループを展開する企業です。

動物病院の運営や経営支援などを行っています。

動物医療業界でも病院のグループ化が進めば、今後の成長余地があるかもしれません。

ペットゴー(7140)

ペットフードや用品などをEC中心に販売する企業です。

ペットフードなどは一度購入して終わる商品ではなく、継続して購入されやすい商品です。

そのため、

「ペット × EC × 継続購入」

というビジネスモデルは投資家としても興味深いところです。

犬猫生活(556A)

国産・無添加などを特徴としたペットフードを中心に展開する企業です。

プレミアムフードだけでなく、動物病院やトリミングなどにも事業を広げています。

比較的新しい上場企業なので、今後どの程度成長できるのかを見ていきたい企業です。

投資家として特に注目したいのは「ペット・ヘルスケア」

ペット市場全体を見ると、個人的には、

ペット保険
動物医療
プレミアム・機能性フード
予防・健康関連

が特に興味深い分野だと考えています。

これらに共通しているのが、

「ペットの家族化 × 高齢化」

です。

例えば、

健康を考える

良いフードを選ぶ

健康診断を受ける

病気になれば高度医療を受ける

高額治療に備えてペット保険に入る

という一つの大きな流れができます。

つまり、ペット関連市場は今後、

「かわいいペット用品」の市場から「健康と安心にお金を使う市場」

へ変化していく可能性があります。

ここが投資家として非常に興味深いところです。

「成長市場=株価が上がる」ではない

ただし、一つ注意しておきたいことがあります。

ペット市場が成長しているからといって、

「ペット関連株を買えば儲かる」

というわけではありません。

投資する場合には、

売上・利益が成長しているか
利益率は改善しているか
PER・PBRは割高ではないか
競争力があるか
財務状態は問題ないか

など、個別企業の分析が必要です。

またペット関連企業には、

原材料価格上昇、円安、人件費上昇、獣医師不足、動物医療費上昇、飼育頭数減少

といったリスクもあります。

「市場の成長性」と「企業の投資価値」は別物

として考えることが大切です。

まとめ|「ペット数」ではなく「1頭あたり支出」に注目

日本のペット市場は非常に興味深い成長市場です。

ポイントは、

ペットの数が急増しているから市場が成長しているわけではない

ということです。

むしろ、

ペットの家族化・高齢化

1頭あたりに使うお金が増える

フード・医療・保険・健康関連サービスが拡大

ペット市場が約2兆円規模へ

という構造になっています。

少子高齢化によって人口が減少していく日本では、

「数量が増えなくても単価が上がる市場」

を探すことも投資の一つの考え方です。

その意味でペット市場は、今後も注目していきたいテーマの一つではないでしょうか。

ただし、成長市場であることと株価が上昇することは同じではありません。

今回は、日本のペット市場がなぜ成長しているのかを中心に見てきました。

第2弾では、今回紹介したペット関連企業5社について、売上・利益の成長率、PER・PBR、配当、各社の強みとリスクを比較し、「投資対象としてどの企業に注目したいか」を詳しく分析しています。

「ペット関連5社の具体的な比較はこちら」

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